相手を否定しないコミュニケーションを!

認知症を発症すると記憶力や思考力、判断力が低下します。身近な人でもそれが誰だか分からなくなったり、自分がなぜその場所にいるのか思い出せなくなります。認知症の進行の度合いや症状は人により様々ですが、大きな不安を抱えながら生活しているのは共通しています。そのため、認知症の方を介護するときは、それらの不安を受け止める努力が大切です。そして、認知症の方とのコミュニケーションを図るときには、まずしっかりと話を聞いてあげることがポイントになります。

それから、認知症の方を介護をしていると、普通では考えられない言動や行動が起きます。そのため、どのように接したらいいのか分からなくなる方もいるでしょう。また、現状をどうにかしようとして、ついつい厳しく接してしまうこともあるかもしれません。しかし、それは逆効果であり、認知症の場合は症状を悪化させてしまう可能性もあります。認知症は記憶力や思考能力は低下しますが、感情はしっかりと働いています。ですから、自分はなぜ怒られたのかは分からないまま、とても恐い思いだけが残ってしまうのです。このような状態が続くと、妄想や異常な行動を起こす原因になるので注意しましょう。

そして、理解出来ないような行動や言動が見られた場合は、大きな不安を抱えている可能性があるので、その気持ちをしっかりと理解する努力をし、不安を取り除いてあげることが大切です。問題行動や異常な発言が見られた場合でも、それを訂正するのではなく、しっかりと受け止めるようにしてください。